"石取祭の今後のために"の続きです!

昔の作者の作を比較するにあたっては、他所の祭礼を見るのが適しているでしょう。
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(森丹渓作の三重県桑名市 第二組 宮通)

ただし、同銘になっていても弟子との共作の可能性もあるので、見極めは難しいところです。
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(森丹渓作の岐阜県大垣市 魚屋町鯰軕欄間彫刻)

また同銘でも初代と二代の作など、襲名している場合もありますので、これまた見極めは難しいところです。
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(愛知県蒲郡市 三谷 上区剣山車)

動かす山車彫刻は欠損して取替交換される可能性が高いのですが、社寺彫刻は取り付けると動かさないので永く残されます。
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桑名での祭車彫刻の歴史を変えた立川流彫刻は、東海地方~長野県の社寺に残りますので、どこかで出会えるかもしれません。
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(立川流彫刻の残る愛知県豊川市 豊川稲荷)

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(立川和四郎冨重作の三重県桑名市 第一組 西舩馬町)

地元の職人であると、近郷社寺に作品を残す事も多く、後で作者がわかる事もあります。
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(後藤吉次郎作の三重県四日市市 富田 北村町持送彫刻)

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(後藤吉次郎作の三重県桑名市 蓮華山養泉寺欄間彫刻)

現在は他地域の職人の力を借りて、修復を行う事も多く、その業を知って自町に合うかどうか参考にする事もあるでしょう。
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(滋賀県長浜市の業者が改修した三重県桑名市 第一組 西舩馬町祭車)

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(滋賀県長浜市の長浜曳山博物館に併設されている修理施設曳山ドック)

モデル(原画等)を知る術の一つでも社寺彫刻や絵画から知る事ができます。
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風神雷神は俵屋宗達のモデルが有名ですが、上本町持送彫刻とは顔つきが全く違います。
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(三重県桑名市 第一組 上本町持送彫刻)

特徴的なこの顔つきは、京都三十三間堂の国宝 風神雷神像を模刻したものだとわかります。
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(蓮華王院パンフレットより)

他の祭礼で幕類図柄で類例を探すと、原画の画家や意匠を知る手がかりになるかもしれません。
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(三重県桑名市 第一組 上本町本天幕)

色違いですが、同柄の幕があります。
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(京都府京都市下京区 木賊山見送幕)

一見、繋がりのない尾張地方の山車からくりも、昭和後期には桑名石取祭にも取り入れられました。
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(愛知県津島市 七切 池之堂池町車)

昭和54年、七代目玉屋庄兵衛により鏡獅子が製作されました。
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(三重県桑名市 第八組 今片町)

その後、今北町に桃太郎も製作されました。
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雨天時や囲いを組んだ時に座らせる構造も、前人形の所作が活かされています。
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(三重県桑名市 第八組 今北町)

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(愛知県清須市 西六軒町紅塵車)

采を振る姿は名古屋型山車の前人形、
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(愛知県清須市 橋詰町王羲之車)

扇を開く所作も山車からくりの技術を応用しています。
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(愛知県東海市 横須賀 大門組)

泉州地域のだんじりの鳴り物にも桑名の太鼓の音色が認められ、皮の張り替えに遠くから足を運ぶ姿が見られます。
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このように、他の祭礼文化とも石取祭が繋がっている時代となっているのがわかっていただけるかと思います。


最後に、箇条書きで思い付くまま石取祭の面白さや特徴を記させていただきました。

他の祭礼文化との比較で見えてくるものもあったと思います。

他のお祭りを見て石取祭を知る、石取祭を見て各地のお祭りを知る、そんな人が増えてくれればと思います。



(この記事の木賊山の画像は、Tくんにご提供いただきました‌)





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